カテゴリー「医療」の記事

再生医療

私が大学時代にいた研究室は、人工心臓の研究を主に取り組んでいたのですが、最近、再生医療の研究を並行して始めています。人の細胞から心筋のシートを培養したり、人工弁に細胞を埋め込んだりします。人工弁などの機械を体内に入れた場合、血栓ができないように、血液が固まりづらくする薬を飲み続ける必要があります。再生医療を利用した研究は次のようになります。埋め込む本人の細胞を豚の生体弁に植え付けます。体内に入れた後、人の細胞が自然に増殖し、表面を覆うことで、身体が異物として認識することが減り、生体適合性が格段に高まりまるわけです。人工弁や心筋シートの再生などで、研究室は、一定の成果を出し、ハーバード大学と共同研究もしています。人工臓器と再生医療は、競合関係にあるような分野だと思いますが、その新しい分野に挑戦したことと成果をあげたことの2点で素晴らしいと思います。成功の要因を聞くと、再生医療の分野に機械工学的なアプローチで取り組んだからだそうです。ロボット業界も一見競合と思われる分野にも、積極的に挑戦し、自分の強みを生かして、試行錯誤することが成功の鍵となるのだと思います。

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人工心臓の性能評価のための機械式シミュレーター

学生時代、趣味でロボットを製作していましたが、同時に研究室で人工心臓の性能評価の研究をしていました。左心室や弁、大動脈、毛細血管、静脈などの血液循環系を機械式ポンプ、シリコン性大動脈チューブ、可変抵抗弁などの機械の構成要素で模擬しました。その機械式シミュレーターに左心室を補助する人工心臓を取付け、圧力や流量等の循環動態を計測しました。人工心臓は、左心室の先端から脱血し、大動脈に送血するように心臓と並行に取り付けられるため、人工心臓と本物の心臓の相互作用の把握が重要になります。心臓の動きのシミュレーションが重要になるのですが、E-MAXという心臓の強さを計る指標を、機械式ポンプを駆動するための制御指標として応用しました。シミュレーションの基礎データを取得するため、山羊の動物実験も数回行いました。ロボットで培ったメカトロニクス技術を用い、心室圧をフィードバックし、ステッピングモーターで高精度に位置制御を行った機械式ポンプを駆動しました。その結果、人工心臓と心臓の圧力・容量カーブを計測でき、そのカーブの変化から、人工心臓と心臓の相互作用を考察することができました。人間の生体をシミュレーションするというチャレンジングな内容でしたが、工学と医学の境界領域で貴重な経験ができ、大変勉強になりました。

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人工心臓

私は、修士の研究で人工心臓をテーマにしていました。人工心臓には、全て機械に入れ替えてしまう全置換型人工心臓と左心室などの心臓の一部分をサポートする補助人工心臓があります。現在、心臓移植のブリッジユースとして、補助人工心臓の研究開発が力を入れられています。人工心臓の研究では、ポンプ性能や耐久性といった工学的なアプローチと耐血栓や溶血防止など医学的なアプローチが必要とされます。工学と医学の境界領域の知識と経験が不可欠であり、両方の知恵と能力を持った人材が求められています。医療用ロボットの開発が、進められていますが、人工心臓と同様に工学と医学の境界領域の知見が最も重要だと思います。

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