カテゴリー「要素技術」の記事

音の出るイス ボディソニック

会社の友達から音の出るイスをもらって重宝しています。パイオニアでボディソニックという商品名で20年以上前に商品化されています。布製のイスで頭の部分に左右のスピーカー、背中と腰の部分に重低音のウーファが設置されています。液晶プロジェクターと組み合わせて、スターウォーズなどの音響の激しい映画を見ると大迫力です。耳と背中から爆発音や宇宙船の通り過ぎる音、ライトセイバーの振り回す音などが自分のすぐ近くで感じることができ、衝撃を受けます。また、プレステ2でグランツーリスモなどのレースゲームをこのボディソニックと液晶プロジェクタの組み合わせで行うと小さいディスプレイやスピーカーと比べて、まったく別物のすさまじい迫力のゲームに生まれ変わります。私は、個人的に二足歩行ロボットにライブカメラを設置し、ロボットの遠隔操作システムを作りました。液晶プロジェクタの巨大画面とボディソニックによって、二足歩行時の足の衝撃を背中で感じることができ、実際にロボットを操縦しているかのような疑似体験を経験することができました。ボディソニックは、ロボット研究開発の機器としてもおすすめです。

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ロボット・ユーザインターフェイス RUI

ロボットは、コンピュータのユーザインターフェイスの新しい表現なのかもしれません。コンピュータは、昔は、MS-DOSに代表されるようなコマンドラインのインターフェイスでした。コマンド操作を知っている人は、簡単に利用できるのですが、知らない人は、まったく使いこなせませんでした。次にWindowsやMacOSのようにアイコンや画像を利用したインターフェイスに変わります。入力デバイスもキーボードに加えて、マウスが使われるようになりました。アプリケーションをウィンドウで表現し、マウスでウィンドウやアイコンをクリックする直感的な操作のため、初心者も比較的利用しやすくなり、爆発的に普及しました。しかし、その後、コンピュータのインターフェイスは、あまり進歩しなくなります。タブレットなどペンを利用したインターフェイスも提案されていますが、CADや画像を取り扱う用途以外ではあまり普及していません。確かにウィンドウベースのインターフェイスは、便利であまり不満も感じなくなっているのですが、どこか人間がコンピュータの側に合わせているような気にさせます。私は、ロボットによるインターフェイスが次代のコンピュータインターフェイスの位置づけになると思います。人間と人間のコミュニケーションで言葉占める割合は思った以上に低いそうです。言葉に加えて、顔の表情や体全体の動きによって、人は、相手の気持ちを想像して、対応するそうです。バーバールコミュニケーションに加えて、身体を使ったノンバーバルのコミュニケーションが今後コンピュータおよびロボットと人間のインターフェイスで主流になると思います。ロボットがエージェント思考により、自分から情報を探し、身振り手振りを交えながら、雄弁に語る状況が理想のように思います。

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微細加工技術とクリーンルーム

近年のロボットの進歩をもたらした一因として、微細加工技術があります。ナノテクノロジー、レーザー技術の高度化により、半導体の集積度は、日進月歩で高密度化されています。半導体やロボットの眼となるCCDは、半無人化・自動化されたクリーンルームで製造されます。塵が半導体に混入しないように徹底的にクリーン度が管理された空間で行われます。部屋は塵が滞留しないように気流が制御され、設置される製造機械もギアやベルトの接触部分から塵埃が発生しないようにケーシングなど工夫されています。私も、昔、半導体のハンコであるフォトマスクの工場で、全身塵がでないようにマスクや手袋をしたクリーンウェアを着て、働いていたことがあります。

半導体の微細加工技術、製造技術の進歩により、メモリーが大容量化し、CPUが高速化しています。それによって、リアルタイム性が必要とされるロボットのソフトウェアも画像認識や音声認識などの複雑な処理を瞬時に実行できるようになりました。ソフトウェア技術の進歩は、すなわち微細加工技術の進歩と表裏一体なのです。

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シミュレーション

ロボット業界では、3DCADによる設計とシミュレーションが普及しています。構造設計、強度設計などコンピュータ上で計算することで、結果を予測することができます。実際に物を使っての試行錯誤の作業が減るため、劇的に設計の期間とコストを圧縮できます。しかし、気をつけなければいけない点として、シミュレーションは単体では意味がなく、適用できる範囲を明確にする必要があります。シミュレーションで算出された結果を必ず現物で確認して初めて信用できるといえます。情報、電気、化学、機械の順に理論と実際のギャップが大きくなります。電気のマクスウェルの式と機械のナビエストークスの式は、構造は似ていますが、前者の方が理論通りの結果になります。後者の場合、流体の粘性など計測しづらいパラメータが多いからです。機械のシミュレーションでは、前提となる条件をよく理解していないとシミュレーション結果を判断できません。シミュレーションにより、期間とコストは改善しますが、使いこなすエンジニアのスキルとセンスはより高度なレベルを要求されていると思います。

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二足歩行ロボットとカメラ

二足歩行ロボットにカメラを取り付けて実験したことがあります。カメラで撮られた映像は、プロジェクターで、100インチサイズで表示し、音声は、5.1チャンネルで再現し、臨場感がでるようにしました。二足歩行ロボットに乗って、操縦する擬似体験を期待したのですが、想像したほどの効果が得られませんでした。一つは、カメラが人間の眼より、撮影できる領域が狭く、臨場感が不足していたことです。広角レンズやカメラを2台にする工夫が必要でした。二つは、周りの景色とロボットのサイズの問題です。ロボットは、30cmの身長で、周りの物は人間サイズに合わせているため、二足で少しづつ歩いても、周りの景色がなかなか変わらないため、面白みに欠けました。ロボットのサイズに合わせたジオラマが必要だったようです。三つは、二足歩行時の揺れです。歩行中の振動が大きく、カメラでいい撮影ができませんでした。以上の3点を見直して、再度チャレンジしてみたいと思います。

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バッテリ

ロボットの動力源であるバッテリにはいろいろな種類があります。アルカリ乾電池やマンガン乾電池など一度だけ放電できる一次電池とニッカドやリチウムイオンなど充放電を繰り返すことが可能な二次電池があります。ロボットでは、何回もエネルギーを消費する必要があるため、二次電池が利用されます。アクチュエータがもっとも電力を必要とし、多関節ロボットでは、複数のアクチュエータが同時に動くため、二次電池でも1時間程度で充電が切れてしまいます。動いていないときにエネルギーを消費しないなど効率的な設計が求められます。二次電池では、完全に放電しない状態で何度も繰り返し利用すると、本来、その電池が持っている容量より少ない量で放電ができなくなってしまうことがあります。これは、不完全な放電で電池が自分の限界を定めてしまうためで、メモリ効果と呼ばれます。メモリ効果を防ぐには、完全放電を繰り返し、もう一度電池に対して、最大容量を覚えこましてやる作業が必要です。昔、ロボットを製作していたときは、充電器のほかに放電器も作成し、メモリ効果を防いだことがあります。ロボットがこれから社会に進出していくためにより高容量で効率的な電池が不可欠です。燃料電池など次世代の電池が研究されていますが、ロボットの発展で重要だと思います。

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センサー

ロボットのセンサーには、いろいろな種類があります。対象が接触しているか判断するタッチセンサー、回転数を測るロータリエンコーダー、距離を計測する超音波センサーなどです。測定した結果は、ONOFFが戻されるタイプやアナログ波形が出力されるタイプ、デジタルの数値が返却されるタイプがあります。初期値の調整、分解能、レンジ設定などを適切に行う必要があります。ロボットは、複数のセンサーからの入力情報をもとにして、モーター等の制御を行うため、センサーのセッティングが不適切だと状態が発散したり、不安定になったりします。ロボットは、工場の中だけでなく、家庭などの外乱の多い世界で利用されようとしています。精密機械でありながら、厳しい環境に耐えられように、ノイズに強く、安定した高精度のセンサーの開発が望まれています。センシング技術が次のロボットのブレイクスルーの鍵を握っていると思います。

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ロボットのエネルギー源

ロボットのエネルギー源ですが、電気が一般的です。ニッケル水素二次電池などにエネルギーを蓄えて利用します。昔は、ガソリンエンジンを利用する場合もあったのですが、コンピュータによる緻密な制御が必要なことから、やはり電気が主流です。ところで、ウェブでは、全世界のサーバーの消費電力が問題になっています。24時間、365日連続で稼動し、サーバの冷却にも電力が必要だからです。世界でウェブの利用が普及すればするほど、便利になる代償として、エネルギー枯渇の危機が高まります。これと同様なことがロボットにも将来あてはまります。何百万台、何千万台のロボットが活躍したときの消費電力や環境への影響を今からシミュレーションし、対策を打つことが重要だと思います。

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ロボット専用パーツ

二足歩行ロボットが、愛好家の間で製作され始めた当初は、サーボモーターが貧弱でした。もともとラジコンでスイッチがわりに利用したため、トルクやギアの強度も不足していました。愛好家の熱心な動きにより、金属製の交換用ギアやサーボを間接に組みやすくするブラケットなどが発売されました。サーボモータは一つ一万円以上し、開発中に過負荷で壊れることが多かったため、一台のロボットで百万円かかっていました。個人レベルでは大変な出費でロボット貧乏が増えました。現在は、十万円以下でロボットキットが手に入り、サーボモータもロボット専用のものが開発されています。トルクやギアの強度、回転角度などロボットに必要な仕様がしっかり満たされています。今後も、センサーなど他用途の流用から、仕様が揉まれ、ロボット専用パーツの開発が進められるでしょう。

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エラー処理

ロボットの開発で気をつけなければならないことにエラー処理があります。パソコンでも急に画面が動かなくなったり、再起動することがあります。ロボットでも同様にプログラミングのバグ等でCPUが暴走することがあり、モーターが異常に回転したり、間接が不自然な方向に曲がったりすることがあります。電子回路がショートしたり、機械が破損し、取り返しのつかない状態になるかもしれません。そのため、機械、電子回路、ソフトウェアの側面から、二重、三重のエラー処理を設計する必要があります。現在の自動車は数百個のCPUが搭載されていますが、トラブルが起きないように、起きても安全が確保できるように考えられています。ロボットも同等の要求が不可欠になるでしょう。

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ロボットのCPU

ロボットのCPUですが、16ビットや8ビットなど数世代前のものが使われています。モーターの制御やセンサーの入力処理には、十分だからです。しかし、今後もう一段上のレベルに上がるためには、画像処理や音声認識をする必要があります。最新のCPUやOSを本格的にロボットに応用する時代になりました。小型で軽量のCPUボードが手に入らない場合は、無線ネットワークを使って、外部パソコンに処理を行わせてもよいでしょう。その場合、重たい処理は、外部で行うので、ロボットに搭載するCPUは、従来通り軽いタイプでよくなります。身体の外側に脳をもつことができるので、ロボットは不思議ですね。

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回転運動と直進運動

機械と生物の運動で、もっとも大きな違いの一つに回転運動があります。基本的に動物や植物を見渡しても車輪の回転による移動手段を持ちません。地球上もっとも早く走るチーターでさえ、新幹線の足元におよびません。車輪は人類が発見した偉大な発明です。
一方、機械は直進運動は苦手なようです。ギアやリンク機構によって、モーターの回転運動から直進運動の変換が必要になります。そのため、効率や精度が犠牲になります。また、機構によって、スペースが大きくなります。人型ロボットは、関節が多いため、密集度が高くなり、より大変になります。人間の筋肉に近い高精度でパワーのある小型アクチュエーターが望まれます。

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ロボットに必要とされる技術

ロボットに必要とされる要素技術は、機械設計、電子回路設計、プログラミング、センシングなど多岐に渡ります。ロボットを開発する人間は、それぞれについて幅広い知識が必要になります。ロボットの研究開発は、そのため、それぞれの工学の専門家がチームを組み、プロジェクトとして発足することが多いようです。単なる自分の得意分野だけではなく、境界領域に踏み込んで理解することが必要になります。例えば、コップをつかむという動作ですが、機械工学の人間は、マニュピュレータの機構設計に興味が行き、電気工学の人間は、モーターの制御方法、情報工学の人間は、コップを認識する画像処理を中心に考察を重ねることでしょう。実際には、ロボットを開発する上で、これらの機械工学、電気工学、情報工学が有機的にかみ合わない限り、コップをつかむことはできません。ロボット開発者には、幅広い知識と境界領域に一歩踏み込む熱意と勇気が必須だと思います。また、さらにその複数の技術を束ねる優秀なリーダーが必要なのだと思います。

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